ディマージュ7テストレポート

 もうとっくに発売されてますが、ちょっと気になって手にしたコンシューマー機、それがディマージュ7でした。このABEチャートを撮影したデータを見せられて、使ってみたいと思ったのです。何故そう思ったのかという事をこれから少し解説してみたいと思います。下の画像はクリックすることで原寸の画像をダウンロードできます。
 
ご存知デジタルカメラいじめのABEチャート。ダブルクリックで

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 まず、黄色い○でかこんだ部分が私が驚いたところです。第一にどんなデジカメで撮ってもモアレがでるというABEジャケット、特に立体になっている箇所に注目して下さい。ほとんど偽色もパターンモアレも発生していません。もちろんピントは合っています。
 次に左側の一番上です。本来ここは解像していないのですが、無理に解像しようとすると、ここにあり得ない形や偽色が発生するのです。細かい線として解像しないのなら、ここは見た目にはグレィに見えて良いはずなので、この表現は正解です。結構ここで無理をしてあり得ぬ形や偽色を発生させている場合が多いのでこのコントロールは絶妙です。
 その右の大きな円のチャートを見れば、1ピクセル近くまではきちんと解像しているのがわかります。また斜めに走る線も非常にきれいです。
 さて、マクベスチャートに移りましょう。下に6個並んでいるグレイスケールは非常に安定しています。どこをとっても誤差が最大5/255ポイント内に収まってます。コンシュウマ機としては異例なほどの高い成績です。ある意味中途半端なハイエンド機より優れているかもしれません。
 さらにその上の基本6色相です。私が普段目標にしている色相に対し、ブルーをのぞき、これもずれがあっても最大6°/360°以内におさまってます。左のブルーから私の目標はsRGBの場合、250°115°354°53°320°197°です。ブルーがこの角度にあるのはワンショットの場合仕方がないとしてその他の色相はほとんどいじる必要がないほどまでに追い込まれています。(後からわかったのですが、これは追い込んだ、というよりわざといじらなかった、あるべき色相に近づけただけ、ということの結果らしいです。)私の場合は多分肌色を好みの傾向に変化させることでほとんどそれ以外の色相は触らずに済みそうです。(金赤に少し癖があるかも?)とまあ、こんな理由で期待して実機をお借りしたわけです。
 ところが触ってみてかなりがっかりしました。ファインダーが無い!無いわけではないのだがきったないヴィデオ見たいなファインダーが付いてる?(結構カメラマンってファインダーを見て感動したり興奮していたりするんですね)
 そしてホールディングが悪く、(このボディで200mm側はどんなに注意してもきついのは確かだがそれにしても重心の付け方が変)撮影したスナップをモニタで見てがっかりしてしまったのです。みんなぶれてるんだもの。自信をなくしてしまいました。もちろんなれ込んでいない所為で操作がわからずにもたもたしている分はあるのだが…
 しかも書き込みが遅い。TIFFモードで書き込むとワンカットに30秒以上かかる。
 データ以外のところではなんて使いにくいカメラだ、というのがファーストショットの実感でした。
 
夕暮れの手持ち撮影はきつい。この画像のダウンロードはありません。

 ま、がっかりばかりもしてられないからチャートでもとろうかな、っと三脚につけた途端、このカメラは全く別人28号に変身してしまったのです。(古くてすいません)驚くなかれ、手持ちしていたときにマイナスに見えていたカメラの操作部、あるいは仕様などの部分が突然皆プラス側に働きだしました。(ミノルタさんはきっとこれをコンシューマー機として扱っていたんだろうが、テストはきっと三脚につけてやっていたに違いない。なにしろ各部のスイッチの操作感までもがそうなのだから。)実に使いやすいのです。
 人間って勝手なもので、こうなると書き込み速度の遅さも以外と気にならないほどです。(でも早いに越したことはないけど)
 
三脚につけた途端に大変身。このカットもアングルを決めた後に一番手前の石にピントを合わせた。ダブルクリックで大きな画像がダウンロードできます。

 細かく解説します。まず、光学ファインダーと引き換えに手に入れたもの。それは小さいけれどもゆとりのある、しかも、今回搭載されたCCDにベストマッチで設計されたレンズです。
 これは単に描写力だけでなく他にもさまざまな部分に影響を及ぼしています。もっとも大きいのがレンズの味の良さ、というかぼけ味。こんなに写りの良いレンズはコンシューマー機で探すのは困難です。
 そして先に触れた高解像感がありながら、しかも擬色がすくない。でもシャープさは十分に兼ね備えています。これは専用設計がなせる技。
 グレイのばらつきの低さにもどうやら一役買っているらしい。28mmというデジタルカメラとしてはかなり広角なワイド側も達成しています。

上の写真もそうだったが、このぼけ味のたまらなさは天下一品。レンズのよさはコンシューマー機の中では断トツ。ダブルクリックで大きな画像がダウンロードできます。

 それだけではありません。光学ファインダーを捨てたことで100%視野率を達成しています。そしてフォーカスポイントを自由な位置に移動できることも特筆するべき点です。この2点で三脚につけてテーブルショットを撮るときにどんなに便利かは想像に難くないでしょう?。
 おまけに後ろのモニターで見え方だけが400%になる、デジタルマグニファイアー機能もあり、これが接写の時にむちゃくちゃ威力を発揮します。手動のフォーカスはそんなに感触は良くないけれども、これはすぐなれる。つまり100%視野できっちり構図を整えた後にピントを置きたい場所を自由に指定して、構図を変えずに拡大してピント合わせの作業ができる、というわけです。ちょっと考えると理想のテーブルトップ用カメラみたいな気がしてきませんか?
 さらにこのファインダーにはカメラなら付き物の、TTLを示すバー、というか適性、オーバー、アンダーの表示がいっさい無いのです。何故かというと、明るく見えれば、オーバー、暗く見えれば、アンダーなのです。適性に見えていればそれは適性なのです。ということはホワイトバランスの狂いや、意図的に色彩を変化させたときもそれがそのままファインダーで見えるということです。ある意味これはカメラマンにとって至福です。なにしろ夕焼けなんかいったいどう映っているのか確実に把握してとってる人がどの程度いるのかしら? 少なくともあたしはあんなもん、上がってびっくりの方が多いわ。

今まで頭の中で計算していたこの作業がそのままファインダーに見える。 

 このファインダーを見ながら考えたのですが、たとえばこういう画像をとるとき、素通しや、TTLのファインダーを見ているときにはかなりきれいに、(人間の目が自動補正してくれるので)見えているんですけど、実際は手前がアンダーで明るくは写っていないんですよね。そういう意味ではこのほうが実像を見せてくれているのかもしれません。実際にCCDに写ったものを見ているわけですから。そう考えるとこれも一つの選択肢であると思えてきました。後は好みの問題かしら? もう少しファインダー画像がきれいだったら私は絶対にこれを押します。(でも使用電力とのバーターでもあるんですけどね。美しく電気を食わないファインダーVs使いやすくデジタル的なメリットと設計の自由度を与えてくれるけど電気を食うファインダー、というところでしょうか?
 ここには掲載しませんが、グレイチャートを1段ずつ絞りを変えて12段撮影するというややこしいテストもしました。結果はハイライト側のねじれもなく、シャドウ側の転びも少ないというこれも驚くべき精度の高さ、というよりもすなおな発色でした。グレイに関してはいずれもびっくりするくらいの高得点です。
 
グレイはあくまでも素直。部分的な転びが全く無い。ダブルクリックで大きな画像がダウンロードできます。

 結論ですが、(デザインに関しては好みがあるでしょうが)よい写真が撮れるカメラです。
 ただし使う人間と条件に関して多大な要求をします。(カメラが「こう使われたい」っていうんです)こちらが要求をのんでしまえば、こんなに使いやすいカメラは他に知りませんしデータの出来のよさは確実にトップクラスです。癖の無い発色と階調表現。端正な解像感など、枚挙にいとまがありません。
 ただしこのカメラを何も知らずにスナップに使おうと思ったなら、きっと声をあげてののしることになるでしょう。書き込みが遅い!シャッターの感触が悪い!フォールディングが最低!ファインダーがつまらない。最後はぴかぴか光ってやだ!とまでいってしまいそうです。
 このカメラはスナップカメラではなく、作品を作るためのカメラであることは明白です。じっくり腰を据えて被写体にむかうのであれば、すべての問題は無くなるか、メリットに変わってしまいます。(ア、被写体が動体だったりしたらだめですよ)私は今データのもつ方向性がよく似ているNIKON D1Xのサブに一台買おうかどうしようかおおいに悩んでいるところです。
 なにしろデータ特性の目指す方向が結構似ていて、しかもサイズがご覧の通り長さがちと違うが幅がほとんど相似しているのですもの。数字で書くと1920×2560 1960×3008となります。つまり立て位置で幅が40ピクセルしか違わないのです。これは同時に使うのに持って来いだと思うでしょう?。

カーテンの位置までドンピシャ?どちらもはRAWデータから展開したがNIKON D1Xはカラーバランスのみ調整し、ディマージュ7は推奨設定。

どうしても気になるのがやはり、せっかくRAWデータが撮れるのに十分なドライバ、及びブラウザが添付されていないことです。DCS Photo Deskのブラウザとしての使いやすさを基本にNikon Capture2の追加RAW調整、ホワイトバランス調整、バッチ処理などを盛り込んだドライバソフトがあれば今すぐにも買うのにな〜。もちろん、あのシャープネスマスク、トーンカーブまでは不要かと思われます。だってハイアマチュア向けなんだもの、そこまではいいよね、とおもう。それより何より使いやすさですよ。あたしも8ビットJpegと16ビットTIFFの書き出しが選べればそれでよいと思う(これって同時にできたらもっと嬉しい)。ね、ミノルタさん。期待してますよ。

そうそう、ディマージュ本体はもうお返ししてしまったので、(すっかり本体の写真を撮るのを忘れてた)本体の写真が無くてごめんなさい。実物をぜひお店かカタログで見て下さい。出来れば三脚につけて撮影しデータを持ち帰って確認して下さい。きっと気に入ってもらえると思います。

“おかく”

最後になってしまったがあまりの写真のきれいさに脱帽はしたものの、それゆえにわがままなユーザーの独り言。ここからちょっと文体が変わる。

かなり玄人受けのするデジタルカメラだと思うが残念なのは(28〜200mmという大口径ズームを考えれば、そんなに大きな問題ではないのだが)撮影してしまった結果として少々レンズ収差が目立つ気がするのは私だけかしら?(多分他の性能の良さと比べてしまうからよけい目立つのかもしれない)。

こんなのはあくまで個人的な願望だが、望遠側はもう構わないので(デマージュ7が既にあり、200mmという十分な長焦点を持っているのだから)同じ解放F値で35mm換算で20〜85mm(50mmでもいいや)という玄人受けのする、そして徹底的に収差を無くした(そこにいくらお金をかけてもかまわん!!私が許す。)高級カメラをつくってもらえないだろうか?こんなカメラ、どうせどこも考えていない。だから存在価値だけはきっとある。

もちろんシューティングスピードもせめて秒1コマか2秒に1コマを目指して欲しい。スイッチを入れなくては撮影できないのがデジタルカメラの宿命だから、起動スピードは大切。なんだったら、スリープから復帰するスピードだけでも0.3秒以内に抑えて欲しいものだ。(電力はいくら使ってもよい?)

さらにかばんに入れやすく、(持ち歩きのしやすい)ホールディングのよいスタイル。しかも飽きがこないこと。永く売って欲しいカメラなんだ。

スイッチ類はほとんど無くてもよい。つまりほとんどRAWデータでとる事を想定し、フルオートのJPEGモードがおまけに一つあればよい。現像処理はあとからカメラマンが責任をもってきちんと行う。もちろん使いやすいドライバが同時に発表されることが大前提だ。

つまらないと思うかもしれないが、音声の録音機能。これも重要。動画もよいが、これがあるとあとから写真の整理に物凄く便利。写真としての記録性に音声がつくと、どこからが撮り直しカットでどこが重要でないカットなのか、また場所やテーマが変わったときに一言入れておけると物凄く便利なのだ。特に決めのOKカットなど、ノイズを入れておくだけで十分あとから検索できる。これモッチーさんにおそわった。

何を言っているのかというと、これはつまり、デジタルの「ライカ」を作ってくれ、といっているのだ。スナップを中心に作品を作るスタイルの人間のための特別なカメラ。その他の人間には必要ないかもしれないけど、NIKON D1Xにも、kodak DCS760にも真似の出来ない、撮影スタイルを提供する特別あつらえのデジタルカメラが欲しい。ほしい!!デジタルでコンシューマー機で、後世に伝えたいカメラ。

実際欲しがる人は少ないかも知れないけどこれが実現したら肌身離さず常に持ち歩き、建築写真のサブ機にもつかいたい。もちろんロケハンもこれとiBookだけ。いざとなれば(実はいざとならんでも)そのまま本番で使えるデータがとれるってことはとても心強い。こんな事を願うのは私だけかしら?

それとついでにボディカラーだが、濃いめのつや消しグレー(チタングレーでいいから)にして欲しい。この使用目的にぴかぴかの銀色はどうも合わない。それと時代を越えて使いたいカメラを目指して欲しいのでガンダムはやめて。(けして今売っている状態が悪いと言っているわけではないんだよ。ただ画質以外のコンセプトが少し違うカメラだから、という意味。)なにしろ玄人受けのするカメラ、コレクションしたくなるようなカメラを目指すんだから。

値段はそれだったら定価で30万位つけてもいい!!でも実売は20万円くらいにして。お願い!ミノルタさん!!

ディマージュ7を使用して5点合成