幸運にも発売前のβ機に触ることができたのですが、総じて大幅に改良を加えてきたNIKON D1Xは私たちに仕事の幅を広げてくれること間違いなしです。特に長時間露光、高感度域が実用的ななったこと、アルゴリズムの見直しによりJpegが非常に美しくなったこと。階調性は解像感を大幅に引き上げることを成しながら、さらに拡大し、ハイライト、シャドウ部で実に伸びのあるデータを提供してくれるようになったこと。このような相反する問題を、よくぞここまでと感じ入ります。もっともそのせいでISO感度を下げざるおえなっかったのかもしれません。私にとってはもっとも残念な変化なのですが。
 もちろん機械的にも良く練り込まれ、モニタが100%表示になり、メニュー表示が日本語になったこと、いつでもシャッターが切れるようになったこと、ヒスとグラムの表示の仕方など、枚挙にいとまがありません。
 でも、だからこそ気になる点がいくつかあげられます。第一にカメラ機能としての情報はさすがにカメラメーカーらしく、良くまとめられ、一覧表示できます。が、フィルムとしての情報がISO感度、画像の大きさ、保存形式位しか確認できないのです。しかも窓は小さく見にくい。ホントにホワイトバランスはとれているのか? 階調補正はどうなってるのか、シャープネスは? カラースペースは? 色相は回転してるのかしてないのか? 等々。いままでの銀塩カメラはフィルムの窓をのぞき込むと、お、EPRが入ってるな、とわかったのですが、それが無いのが残念です。これら全てを表示するのは至難の業ですが、ぜひ近いうちに確認しやすく実現していただきたいものです。
 なぜなら、ニコンが目指すデジタルカメラは、撮影時に全てのパラメーターを決定し後処理を少しでも軽くしようというコンセプトを持っているように見受けられるからです。ということは撮影時に間違った設定をしてしまっては元も子もなくなってしまうのです。ここを一目で分かりやすくするということはNIKON D1Xが完成型になるためには結構“要”になる部分だと思いませんか?
 そして第2に拾得したデータの任意の部分のRGB値、つまりグレイバランスはPCに持ち込まない限り、確認できないことです。ヒストグラムとグレイバランスさえわかれば、安心して撮影が続行できるのです。スタンドアローンで使用し、撮影時に全て完成したデータを作ってしまおうというデジカメを目指すのであれば、必須の条件になると思うのですれどもいかがなものでしょう?。解決策として、スポット測光部分のRGBのバランスをファインダーに表示できるなんてのはどうかしら? 多分最終的にはフルオートで何でも撮れることを目指すのだろうけれども現状でそこまでは望めないと思います。
 スタジオで使いやすいカメラを目指しているのであれば、オンコードのデジカメの方がはるかに上をいってます。RAWデータ専用機ではコダックのDCSシリーズに分があります。両方できて守備範囲が非常に広いのがNIKON D1Xになるのですが、他のカメラがほとんど目指していない部分にこそ存在意義があるような気がします。
 スタジオでもロケでも夜でも昼でも光源をいとわずに撮影できるカメラがNIKON D1Xです。ただし撮影時の設定いかんによっては“大失敗”する可能性を持ってしまっているのもまた事実なのです。ちなみに私は以前ホワイトバランスで大失敗してしまいました。
 そこのところをぜひ、良く理解していただきたい。RAWデータも扱えるからそういうときには、などといわずに実現して欲しいと願います。いまだRAWデータの検証はできる状態ではないようなのですが、実際に触ってみると、ある意味データ的には、RAWデータ要らずといえる位に仕上がっているのですから。苦言というわけではありませんが、NIKON D1X、触れば触るほどほれ込んでしまうだけに気になってしまうのです

 近いうちにテストレポート第2弾を書けるかもしれません。その時はもう少し詳しくオートの性能などに触れてみたいと思います。

                             有限会社ハンディ 鹿野宏

DENJUKUに戻る